ここからは、即興演奏を身に付けるために、私がやってみた(今もやってる)ことです。
二つに分けて考えてみました。(あくまでも、自己流ですが)
即興演奏を身に付けるために、何かをしようにも、全然分からず、出来るのは、jazzの教本 を買いにいくことでだけした。
最初に買ったのがこの本です。
jazzで一般に行われていることを、沢山学びましたが、その時一番欠けていることに気づけた ことは、良い勉強になりました。
終止形なんていう言葉、もしかしたら、学校で音楽の時間に習った気もしますが、意味など考えもしませ んでした。授業では、言葉と、言葉の意味を覚えれば、点数はもらえますからよいのですが、本当に音楽を楽しむのなら たぶん、知識より、聞いた時の感覚で、その意味を覚えなくてはならないと感じました。
音楽は、確かに感じているのに、何故そう感じるかなんて、考えたことは、ありませんでした。
実際には、何が、どうなると、どう感じるか、ということですが・・・。
この曲の、ここは明るく感じる、暗く感じる、とか、ここはカッコイイ、ダサイとか 感動したり・・・。そういう感覚は、音の何が、どうなると起こるのか。。
jazzの他にも色々な音楽があります。受ける印象も色々ですが、何か音の一定した動きが 、聞いた人の感覚に、一定の動きを与える、という点で共通する部分がある。その共通部分をまと めたのが音楽理論なんだと思います。(ただ、少し慣れてきて、色んな演奏を聞いてみると、規則に合わない音が出てきます。 でも、聞くとそれがいい音に感じます。音楽のスタイルが、これまで変わってきたのは、 規則に無い音、むしろ、規則に反した音を取り入れた結果だとも思えます。)
やはり、先に音ありきなのだと思います。
そう考えて、理論書を読み直し、音を聞いてみると、聞こえ方が変わりました。 自分の感じていたことが、こういうことだったのか。何か、頭の中を、整理してもらった感覚でした。
例えば、Fのコードが一つだけ鳴ったとき、主和音は何、と聞かれたら、私なら、ひとつしか無 いので、今の和音だと感じます。
F-C だったら?
私は、最初の音の印象が強く感じて、最初の和音かなと思います。何となくハッキリしません。
F-C-F だったら?
これは、ハッキリ最初と、最後です。
それまで、サブドミナント終止とドミナント終止の違いは、ただの色の違いだけの認識だったのに ハッキリと、意味が付きました。
正しいかは分かりませんが、音楽を、音楽の要素が機能して、人の感覚に与える現象だと捉えることで、 その要素を使って、自分の演奏したい曲を、その要素の集合として見ることが出来ます。曲の構造が解ります。
それが出来れば、各要素ごとに、実際によく演奏されている音を、その要素ごとのパターンとして整理して、それを覚えられれば、 そのパターンを使って、即興演奏は、出来ることになります。
具体的な例は、
jazzの演奏では、SD-D-T(Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ)のケーデンスは、殆ど、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰで演奏されます。
転調があっても、転調先のトニックの直前は、転調先のⅡ-Ⅴである場合が殆どです。例えば all the things you are では、このパターンが3回繰り返されます。(長・短調混ぜて)
このパターンを複数練習するだけで、やりたい曲の即興演奏の大半には、対応できます。
はじめは、自分で音を作れなくても、聞いて好きだった演奏からいただいて、いいと思います。
でも、指や、音符で覚えるのは、ダメです。丸暗記するのは、音でなければなりません。
人からもらった音でも、自分の頭で出したのだから、それは、自分の音です。
少しなれて、パターンを混ぜたり、自然に音が先に来るようになるまでは、時間が必要です。
曲を終止形単位の集合として捉えるのが、正解かは分かりませんが 、そのように分解することで、即興演奏の練習方法が解りやすくなりました。
ただ、解らないこともあります。Ⅱ-ⅤーⅠの場合はいいのですが、Ⅲ-Ⅵ-Ⅱ- Ⅴ-Ⅰの場合、Ⅲ-Ⅵの部分を、Ⅱをトニックとしたときの、Ⅱ-Ⅴで演奏される ことがよくあります。
調をどう感じるかは、時間との関係が大きいと思います。
jazzでは、めまぐるしく転調が行われますが、クラッシク位の長い転調 の場合、トニックは、何処に置けばよいのでしょうか?私は、答えを知らずにいます。 数分単位の転調の間、元の調との関係を保ったまま聞き(弾き)続けるのは、かなり キツイように感じます。
では、短い時間の中での転調の場合、トニックは、どこにおいて演奏すればよ いのでしょう。
私の場合は、トニックは、元の調にある感じが強いです。
例えば、bluesコードの2小節目を転調と考え、1小節目の後ろ半分をⅣのⅡ-Ⅴ で演奏することがあります。コードは、|C7-Gm7-C7|F7
もともと、最初の4小節はC7ワンコードでもよいところですが、テンポが遅くて コードの通りに弾いたとしても、トニックは、Cです。5.6小節目でもそうかもしれま せん。
もしも、Fのコードが何小節も続けば、トニックは、Fに移ると思います。
遠隔調なら、行った先のトニックです。
例えば、CMからE♭Mへの転調、CM-Fm7-B♭7-E♭Mだったら、Fm7のところからトニ ックは、E♭Mです。
問題なのが、平行調です。
枯葉を演奏していて、自分がマイナートナリティーにいるのか、メジャートナリティーに いるのかを、見失ってしまう時があります。私は、主音からの五度、短三度のような感覚で イメージしながら演奏しているので、主音を間違えると、ミストーンになってしまいます。 練習が足りません。
本当の演奏家の頭の中は、どうなっているのでしょうか?
疑問の原因が、曲を分解したことにあれば、今のままでは、答えに辿り着けない かも知れません。
ただ、これでも、どうにか演奏出来てます。どうしてかは、解らないのですが ・・・。
絶対音感があれば、違ってくるのでしょうか?
私は、ソロだけ聞いて、コードが解るような演奏が好みなので、つい、細か く考えがちなのですが、少し旨くなれたら、多分、調全体から見て、サブドミナント的 (Ⅳのコードでなくても)、ドミナント的(Ⅴのコードでなくても)位の捉え方で演奏 出来れば良いのかもしれないと思っています。あとは、慣れが伴えば、自然と調の 流れが分かるようになると思っています。
終止形毎の演奏パターンを練習することを続けていると、そのパターンは、いつか、 自分のフレーズ(音)となると思います。次は、このことを書きます。